こ お り や く し
                  古保利薬師の仏像




 御本尊 薬師如来 ごほんぞん やくしにょらい

 国指定重要文化財 「本尊薬師如来座像」

          


 薬師如来は東の浄瑠璃世界の仏様です。
 正式には「薬師瑠璃光如来」と言います。
 「大医王仏だいいおうぶつ」とも称し、人々の心身の病気を治し、災いを防ぎ、
 さまざまの苦悩を消し去っていただける仏様です。
 古来より、多くの方が健康を願ってお参りになります。



       
 ふっくらとした、やさしいお素顔
 親しく右手をさしのべ、病気や苦悩をみたてる  
 左手の薬壺やっこから薬を施す

 右手の第四指が少し前に出ています。
 このことから、この指を「薬指くすりゆび」と言うようになったという説があります。

 仏像は、一木造りの木像です。
 ・・・・・・・木像の材料(榧の木)  一木造り

 座像の大きさは「半丈六はんじょうろく」です。
 ・・・・・・・・・仏像の大きさ

 「如来様」について
 ・・・・・・「如来様」について

 いろいろな仏像と古保利薬師の仏像
 ・・・・いろいろな仏像と古保利薬師の仏像


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 薬師如来をお支えする
 日光菩薩
 にっこう ぼさつ

 国指定重要文化財 「脇侍日光菩薩立像」



 薬師如来の左脇に侍する仏です。
 千の光明こうようを発して無明むみょうの闇やみを照らし、薬師如来を助けます。
 左手を上げておられますが、今はなくなっています。


 薬師如来をお支えする 
 月光菩薩 がっこう ぼさつ

 国指定重要文化財 「脇侍月光菩薩立像」

 
         
     
 薬師如来様の右脇に侍する仏様です。
 やさしい月の光をもって、薬師如来様の教えを広めます。
 右手を上げておられますが、今はなくなっています。

 薬師如来、日光菩薩、月光菩薩を「薬師三尊」と言います。

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 千手観音菩薩 せんてかんのん ぼさつ

 国指定重要文化財 「千手観音立像」
 

 「観音菩薩かんのんぼさつ」、正しくは「観世音菩薩かんぜおんぼさつ」、「観自在菩薩かんじざいぼさつ」と言います。
 三十三通りに姿を変えて人々の多様な苦悩を受け止め、私たちを救ってくださる仏様です。

 その中の一つ、「千手観音菩薩」は、その名の通り千本の手がある観音様です。
 「千」とは無限を意味し、無限の力で人々を救う仏様です。
 左右に鳥の羽のように出ているのが、たくさんの腕です。
 実際に千本の手がある観音様がありますが、前は上側で合掌し、下側で両手を組んで宝鉢ほうはつを持ち、
 さらに左右三十八本の手がある観音様が多いようです。
 古保利薬師の千手観音菩薩のお手は全部で何本あったか不明です
 手のひらには目がついており、手には刀、弓、数珠じゅずなどいろいろな道具をお持ちですが、今はなくなっています。
 多くの目で人々を見守り、多くの手で私たちを救ってくださいます。

 千手観音菩薩立像の最初のお姿はどうだったでしょうか?
 ・・・・・「千手観音立像復元想像図」

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 十一面観音菩薩 じゅういちめん かんのん ぼさつ

 国指定重要文化財 「十一面観音立像」 三体

 第一体




 第二体




 第三体




 「十一面観音菩薩」は、その名の通り十一のお顔をもつ観音様です。
 正面のお顔に加えて、頭の周りにぐるりと十のお顔があり、真ん中に如来様があるのが普通ですが、
 三体ともお顔の跡を留めるだけになっています。
 古保利薬師に十一面観音菩薩が三体あるのは、往時にこの一帯に四十九のお寺やお堂があったことに由来します。


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 吉祥天  きっしょうてん 

 国指定重要文化財 「吉祥天立像」



 「吉祥天」は、美しい女性の仏様です。
 毘沙門天びしゃもんてんの妃です。毘沙門天は四天王のひとり、多聞天とも言われます。
 インドの神話の女神ラクシュミーに由来します。
 幸運や福徳をつかさどります。
 左手で宝珠ほうじゅを持ち、右手は手のひらを前に下に向けて施与するお姿と思われます。


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 如来様をお守りする
 
四天王 してんのう 

 
国指定重要文化財 「四天王立像」   四体

 第一体




 第二体




 第三体




 第四体




 四天王は、外敵から仏教を守ります。
 東方を守る「持国天じこくてん」は、国を支える任にあります。
 南方を守る「増長天ぞうちょうてん」は、五穀豊穣の任にあります。
 西方を守る「広目天こうもくてん」は、千里眼もって広く観察し、仏教を守ります。
 北方を守る「多聞天たもんてん」は、悪魔を払いのけ、仏様の説法を多くの人に聞かせます。
 多聞天は、別名、毘沙門天とも言われます。
 それぞれが四天王のどれに当たるか、未確定です。 
 四天王の特定について



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 薬師如来をお守りする
 
十二神将 
じゅうに しんしょう

 北広島町指定文化財 「木造十二神将立像」  十二体








 薬師如来が菩薩ぼさつとして修業の時に、十二の大願の会得えとくされました。
 この十二の大願を守るのが十二神将です。

 毘羯羅びから大将、招杜羅しょうとら大将、真達羅しんだら大将、摩虎羅まこら大将、波夷羅はいら大将、
 因達羅いんだら大将、珊底羅さんちら大将、頞儞羅あにら大将、安底羅あんちら大将、迷企羅めきら大将、
 伐折羅ばさら大将、宮毘羅ぐびら大将の十二人の武将です。 

 さらに平安時代に、千支えとの思想と結びつき、十二の方角(東西南北を十二に分ける)と
 十二の時(一日を十二に分ける)を分担して守る神となりました。
  ➡ それぞれの「十二神将」


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 山門を守る
 仁王 
におう 

 北広島町指定文化財「木造金剛力士立像」

 阿形 あぎょう




 吽形 うんぎょう



 「金剛力士こんごうりきし」は、仏様や信者を外敵から護ります。
 二体一組で山門を守る金剛力士は、「仁王さん」と呼ばれます。
 口を開ける阿形さんが右側に、口を閉じる吽形さんが左側に、
 両側から、訪れる者をにらみ、悪者や悪い心を退散させます。


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 阿弥陀如来  あみだ にょらい



 阿弥陀如来は、この世をあまねく照らし、すべての者を救い、極楽浄土ごくらくじょうどへ導いてくださる仏様です。
 そして、阿弥陀如来は浄土真宗の御本尊です。
 当山は、一時期、浄土真宗に改宗した時代がありました。



 おさすりさん



 おさすりさんは、お釈迦様の弟子です。
 梵名をビンドラ・バラダージャと言い、漢音で「賓頭盧突羅闍」と書きます。
 お釈迦様の教えを学び、説法をすることが許された十六羅漢のひとりです。
 その説法は正確無比でライオンのように迫力があったので、「獅子孔第一」とも称されました。

 日本では、「賓頭盧尊者びんずるそんじゃ」と呼びするうちに、「おびんずるさん」と呼ぶようになりました。
 古保利薬師では、自分に痛いところがあれば、仏様のその箇所をさすると治ると言い伝えられ、
 いつしか「おさすりさん」とお呼びするようになりました。
 以来、多くの方が病気やケガの回復を願ってお参りになります。



 准胝観音  じゅんでいかんのん



 写真におさめるため、厨子からお出ししました。
 頭上に四面あり、千手観音と同じように手がたくさんあります。
 准胝観音聖観音や千手観音、馬頭観音、十一面観音如、如意輪観音ともに「六観音」と言われます。
 この観音菩薩坐像は鉄製です。
 昭和20年代に寄贈されたと伝えられます。
  



 お預かりしている仏像


 古保利薬師の仏像についての諸説

 仏像の素材

 
仏像の製作者

 仏像の製作者

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