主宰の句
玉の緒のおもさかるさも残る花
小判草ゆれてその名をきらめかす
多羅葉に「心」の一字や五月来る
珊瑚集&翠玉集より
麦刈つて近くなりたる川の音 大庭星樹
初蝶の自在を猫の見てをりぬ 森山貞二
推薦作品
日差しとは日のまなざしや蝌蚪の紐 林 美恵子
うぐひすの声重なりて山河濃し 三浦文子
春宵の瑠璃を纏ひし聖母かな 中嶋正樹
行間に春の愁ひのそこはかと 渡邊 トク
俯きて内二豹の斑花ばいも 菊池尚人
金毘羅の八百段目風薫る (広島メンバー) 原田蓮江
命にも起承転結初桜 木下 祥
踏青と言ふには小さきものを踏み 小松八重子
龍鱗の肌をなでて水の春 酒井秀雄
推薦20句より9句
時計草 ランブル 2016年6月号 No.220号
主宰の句&推薦作品