主宰の句
山百合の蕊の見開く昼の黙
くもり日を跳んでは蹴つて水馬
立ちのぼる風の間合や風露草
翡翠集&珊瑚集より
蛍狩鼻緒の堅き宿の下駄 大谷てるみ
郭公やダダ新吉は留守である 田中義孝
推薦作品
羽抜鶏動けば風も動きをり 黒川礼子
ひもすがら降りみ降らずみ桜桃忌(広島メンバー) 原田蓮江
山に来て山を仰ぐやうろこ雲 渡邊益寿
男らに厨あづけし初鰹 伊藤訓花
青蚊帳に入り深海の魚となる 干場紫葉
縫い目なき闇の広さや河鹿鳴く 小林こう
蛍の闇にゑがきしこひの文字 山下狂介
香水は「有罪‐ギルティー」吾に何の咎 青木祥子
田の神へお辞儀するごと田植かな 中山恵美子
推薦20句より9句
みせばや ランブル 2016年9月号 No.223
号
主宰の句&推薦作品