萩吟行

   広島ランブルメンバーの句

                定例句会、吟行句の高得点句より
  
    門司吟行
                 2020年
        


    
                                          
   定例句会の句 

  新年
    掛軸の変はらぬ慈顔年新た
(兼題:新)

    新春の空へ打ち上ぐ陣太鼓(兼題:新)
   
    綿虫やいつまで我に「だつこ」の子

  2月
    冬景色色即是空の無色かな(兼題:色)

    掛け声の闇を動かす寒稽古

  3月
    白酒の白より白し官女の手(兼題:白酒)

    白酒や月の向かうの夫に酌む(兼題:白酒)

    風を待つ心はタンポポになって

  4月
    しあはせは事無きひと日木の芽和(兼題:幸

    寂しさも生き抜く力風光る

  5月
    縁側の社会的距離夏の恋(兼題:縁)

    濡縁は脚より古りぬ九輪草(兼題:縁)

    楼門を風と潜れば楠若葉

  6月
    手庇に望む穂高や夏の雲(兼題:望)

    人体の宇宙を巡るソーダー水
  
    山藤の垂るるを競ひ村しずか

    池の端の石の濡れぐせ夏蛙

  7月
    涼気かな五百余年の夫婦楠(兼題:涼)

    ある絵本全部広げて涼しき目(兼題:涼)

    一筋にあらずや滝に主と従と

  8月
   マネキンの眼の虚ろなる晩夏かな(兼題:晩夏)

   先ず梅が酔ひて梅酒の琥珀色

  9月
   淡墨のにじみゆく和紙涼新た(兼題:令和)

   夏蒲団から令和生れの手足伸ぶ(兼題:令和)

   桐一葉風の攫ひし影を追ひ

  10月
   バス停に帽子ひとつや月明り(兼題:月)

   煩悩も抜けて透きたる芒かな

  11月
   断捨離に拾ふ思い出冬に入る(兼題:立冬)

   優しさは悲しさに似て草の花

   恋かしら彼のセーター編んでをり

  12月
   木枯の音の輪郭探しけり(兼題:輪)

   暮早し輪の中にゐて孤独感(兼題:輪)

   信号に待たされひとり冬の月

   父母の開け閉めしたる障子貼る







   奈央子

   千恵子

   瑞憲


   五郎

   千恵子


   あつ子

   京子

   瑞憲


   蓮女
 
   奈央子


   晶子

   新治

   千恵子


   苦楽

   晶子

   瑠美子

   新治


   五郎

   智子

   新治


   千恵子

   千恵子


   あつ子

   智子

   苦楽


   京子

   千恵子


   瑠美子

   孝子

   苦楽


   奈央子

   はるか

   奈央子

   孝女

 
    吟行句
  
  2月(縮景園)

    皺あらぬ茶人の袴梅薫る

    四阿の茅匂ひ立つ春の雨
  
  3月(転勤者壮行会)
    菜の花や摂津と安芸は陸続き

    旅立ちに風のエールや春の空

  4月(右平花の里‐石楠花)   動画を見てのネット句会
    ネット句会の動画に遊ぶ春の山

    せせらぎて石楠花満つる山路かな

  5月(広島市植物園) 動画参加者もあり
    睡蓮の香や極楽の余風(あまりかぜ)
   
  6月(行者山・太光寺) 動画参加者もあり
    夏鶯法事の僧の紅衣
   
  7月(マリーナ広島) 動画参加者もあり
    夏嶺かな遥かに見ゆる金輪富士

  9月(江波山気象台)
    秋高し母の輝き子の笑顔

  10月(小己斐明神)
    冷やかや岩にかつての波の傷

  11月(縮景園)
    松風の時雨の中に数寄屋旧(ふ)






  
新治

   瑞憲


   新治

   京子


   はるか

   蓮女


  あつ子


  蓮女


  京子


  はるか


  新治


  あつ子