萩吟行

   広島ランブルメンバーの句

                定例句会、吟行句の高得点句より
  
    門司吟行
                 2018年
        


   
                                          
   定例句会の句 

  新年(初句会)
    句談義やいつしか降りて雪談義
(兼題:雪)

    河染めて河より生れし初日かな

  二月
    初めての靴の小さきよ下萌ゆる
(兼題:下萌)

    大寒の鍵穴に挿す鍵の音

  三月
    塀越しの女湯のこゑ春灯
(兼題:春灯)
   
    卒業や明日はこの町出ていく子

    城跡の空の広さを囀れり

  四月
    のどけしや風を相手の舫ひ舟
(兼題:長閑)(主宰特選句)

    春別れ告げたき事を告げぬまま

    句帳閉づ初音一声とどむかに(主宰特選句)

  五月
    宵の夏切るに切れざる荘風牌
(兼題:風)

    逝く春や竹裂くる音風に聞く
(兼題:風)

    筍は一日一尺我一句

  六月
    万緑へ飛び込むボール飛び込む子
(兼題:万緑)
                           (主宰特選句)
     サイダーをプシュッと雲の湧きどころ

    濁点か半濁点か黴の古書(主宰特選句)

  七月
    梅雨湿り表札今も亡夫の名
(兼題:雨)

    薄墨の暮れて灯ともす梅雨の寺
(兼題:雨)

    棒高跳び越えて見上ぐる雲の峰

    初恋を語る母汲む新茶かな

  八月
    「川風も馳走どすえ」と川床料理
(兼題:川)
                                    (主宰特選句)

    風死せり我は半分生きて居り

  九月
    新涼や墨香らせて大書する
(兼題:新涼)

    新涼や子の寝返りのやはらかし
(兼題:新涼)

    苦も楽も生くるも死ぬも踊の輪

  十月
    四方に満つ稲穂の実り神の業
(兼題:神)

     神つてるカープ優勝天高し(兼題:神)

     神頼み稲刈り迄と天仰ぐ(兼題:神)

     出雲路の神も雑魚寝や秋出水(兼題:神)

    曼珠沙華鉄路は風の路となり
(主宰特選句)

  十一月
    天高し足して千歳の夫婦楠
(兼題:三篠)
 
    連山の先も連山秋澄めり

    落葉掃く季
(とき)の移ろひ集めたり

  十二月
    短日や飛行機雲の長きこと
(兼題;雲)

    閑けさをやぶり落葉の音を踏む

    窓際の席取つてゐる手套かな
(主宰特選句)

    冴ゆる夜や階下のジャズのきれぎれに
(主宰特選句

    

        





   洋子

  
瑠美子


   瑞徳

   千恵子


   新治

   苦楽

   新治


   千恵子

   瑠美子

   苦楽


   新治

   あつ子

   あつ子



   
   新治

  
 みつのり

   
新治


    洋子

   
千恵子

   
千恵子

   
晶子


    千恵子

    あつ子



    あつ子

    みつのり

    智子


    松竹

    千恵子

    はるか

    苦楽

    あつ子



    あつ子

    あつ子

    瑠美子



    奈央子

    千恵子

    新治

    洋子


    
 
    吟行句
 
 
二月(神田山荘)
     見遥かす久の蒼天凍て緩む

     春景の四方に開きて明日の風

  三月(八木春望)
     堰落ちて春水の黙解かれけり

     野に遊び句に遊びしや八木の道

     吊雛の床の間に揺る「亀楽里」邸

  四月
(花見:広島城を水辺から眺める)
    戦無き堀を巡れば花の城

    学舎を鏡となして花の城

  五月
(倉敷一泊吟行)
    風涼し備後絣の藍のいろ

    栴檀咲く君の香りの追憶に

  六月
(三景園に紫陽花を愛でる)
    ジェット機の発ちて醒めたる未草

    額の花紫紺の絵の具使ひ切り

  七月
(呉、水害の為延期)

  九月
(宇品公園)
    駐車場玩具箱かと秋雨打ち

    秋雨と港の船や音もなし
 
  十月
(広島城菊花展)
    菊日和城下あまねく四方の風

  十一月(紅葉狩り、宮島)
    黄に赤に神のまにまに紅葉降る

    





  
孝子

  
晶子


   新治

   瑠美子

   はるか
  

  
晶子
  
   孝子


   千恵子

   苦楽



   あつ子

   瑠美子





   はるか

   松竹


   あつ子


   あつ子
       五月倉敷一泊吟行主宰の句
     青蔦の青は光となる窓辺

     宵宮や舞のはじめの三女神