ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2014年、2015年
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   鹿鳴くや柞(ははそ)にかかる昼の月   仲川 昱

    
 足跡の逡巡少し霜の朝            児玉苦楽
   
     
山襞の折り目際やか冬紅葉         谷澤英子

      
虎落笛森抜けて笛無くしけり         洞澤民子

    
 薔薇の芽のアン・ドゥ・トロワ爪立てり   幸田和子

     啓蟄の電車南へまつしぐら          菊池尚人

     
芝踏みて園の啓蟄うながせり         渡邊トク
 
     
青梅や水琴窟の水こだま           槙かおり  

     
緑蔭へ棹さしてゆくどんこ舟          野上マチ子

     
一切の音を消し去る滝の音         原田蓮江

     石庭の掃き目新し百日紅          千代田南子

     
波頭崩れて白き秋思かな           山下狂介


 

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   団栗の青きを拾ふ賢治の忌        荒木幸子

   拝観を閉ざして冬の門といふ       五味利恵子

   土に生き土に勤労感謝の日        久和原 賢

   水底の朽葉明かりや日脚伸ぶ       尾籠宏子

   春灯や母とふ灯しどの家にも       北澤益子

   落ちてなほ「月照」といふ白椿       山田あつ子

   落花いま奥千本を離れたり         灰谷悠太

   飛魚の鳥の眼をして飛びにけり      大谷てるみ

   緑蔭や背中あはせの受け答へ       浜本千恵子

   落し文詠人知らずばかりなり        松本夢渓

   戦国の絵巻さながら大夏野         渡辺春菜

   みのり田や一穂ごとの日の重り      清水葉子