ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2012年、2013年
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     人生に余白などなし神の留守     いなさ湖六
  
    
父の忌や冬田の果てに日を沈め   桑原康郎

    
漱石と同じ父の忌しぐれけり      福沢 勉

    
買初や陶(すゑ)の白蛇のひと握り   西尾智美

     玉砂利に日の一つづつ春動く      望月延子

     命とは柔らかきかな猫柳        上岡恵子

     これ以上反れぬ城垣花明り       小松和子

     耳立てて水の私語聞く水芭蕉      森 孝枝

     夏帯をぽんと叩いて米寿かな      長島ちよ

     ひたぶるに噺編みあぐ蜘蛛の糸    杉浦冴栄

     色鳥や会はねば人の遠くなる      斎藤登志子

     秋灯や母待つ子らに守りの嘘       蔭山雅代
     



   

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     秋思かな瓶の中なる船ひとつ     南 摩耶

     秋の天一草庵のその裏に       原田蓮江

     山頂に何のひかりぞ神迎え      五味利恵子

     蠟梅や一花一花の日の器       重山陽子

     鶯餅いのちの重さありにけり      渡辺春菜

     朝市の声のはじめを百千鳥      土屋梅子

     芋植うる足の物差したしかなり     棒 喜香

     紫雲英田の夕なにか去りなにか来る 宮南幸恵

     生涯の友に俳句やアマリリス      伊藤いし

     萍や曖昧といふ守りあり  (広島)    河野恵子

     新涼や羽根のかろさのエアメール   葵 瓔子

     畦秋忌過ぎたる空の帰燕かな     山本欣子