ランブル巻頭句集 (上田日差子選) 2011年、2010年 |
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2011年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 |
鰯雲映して心広き湖 橘高吏美 白鳥湖調弦のごとさざめけり 月野木潤子 十二月八日の海の怒涛かな 荒木幸子 肩車して父と子の初御空 濱本千恵子 太宰似の顔深々とマフラーに 望月延子 弾まねば春の水音とは言えず 三浦文子 雲退けば幕上がるごと山桜 淵田郁子 風鈴のときどき独り言をいふ 高橋松月 蟻走る一匹走る太宰の忌 灰谷悠太 ふたたびは登ることなしケルン積む 大西保雄 中尊寺青葉明りの浄土かな 三神 武 さざなみを張つて山湖の秋の風 林 美恵子 |
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2010年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 |
晩秋や川に落ちたる空の色 棒 喜香 一望を白にいろづく湖の冬 木下真澄 ジュラ紀には海なる峠枯木星 窪田光代 新玉やあら煮といへど鯛頭 浅田季祐 あたたかし母を傍へに子規の墓 村松康代 城塁を桂馬上りに猫の恋 後藤明弘 散ることを忘れゐるかに夜の櫻 井上てつこ をんどりはをんどりなれど羽抜鶏 灰谷悠太 ほととぎす折しも句碑の辺りかな 桑野昌宜 送り火の焔浮沈のさまをなし 渡辺トク 虫籠の闇の平らに子の寝落つ 森 孝枝 この橋の下に駅ある秋暑かな 加藤 悟 |