ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2011年、2010年
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  鰯雲映して心広き湖             橘高吏美
  
  白鳥湖調弦のごとさざめけり        月野木潤子

  十二月八日の海の怒涛かな        荒木幸子

  肩車して父と子の初御空           濱本千恵子

  太宰似の顔深々とマフラーに        望月延子

  弾まねば春の水音とは言えず        三浦文子

  雲退けば幕上がるごと山桜         淵田郁子

  風鈴のときどき独り言をいふ         高橋松月

  蟻走る一匹走る太宰の忌          灰谷悠太

  ふたたびは登ることなしケルン積む     大西保雄

  中尊寺青葉明りの浄土かな         三神 武

  さざなみを張つて山湖の秋の風       林 美恵子
 
 2010年

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  晩秋や川に落ちたる空の色         棒 喜香

  一望を白にいろづく湖の冬          木下真澄

  ジュラ紀には海なる峠枯木星         窪田光代

  新玉やあら煮といへど鯛頭          浅田季祐

  あたたかし母を傍へに子規の墓       村松康代

  城塁を桂馬上りに猫の恋           後藤明弘

  散ることを忘れゐるかに夜の櫻        井上てつこ

  をんどりはをんどりなれど羽抜鶏       灰谷悠太

  ほととぎす折しも句碑の辺りかな       桑野昌宜

  送り火の焔浮沈のさまをなし          渡辺トク

  虫籠の闇の平らに子の寝落つ         森 孝枝

  この橋の下に駅ある秋暑かな         加藤 悟