ランブル広島の会 メンバーの句
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      2010年定例句会高得点句      
   

  3月 帰りなんいざ山笑ふ故郷へ       児玉瑠美子(兼題句)

     一望は一枚仕立て草萌ゆる    河野恵子

  4月 大仏や慈眼も曇る春の塵        蒲池正景(兼題句)

     幼手に夢握りけり桜貝          蒲池正景

  5月 奥入瀬や新樹の峪の水奔る      児玉苦楽(兼題句)
      
     鳥たちを入れて膨らむ新樹かな     谷川圭介(兼題句)

     苺つぶし巧みに言葉そらされる     遠藤洋子

  6月 一村を沈めてダムの五月雨るる     濱本千恵子(兼題句)

     更衣脱ぐに脱げざる殻を持ち       河野恵子

     燕の巣確かめくぐる縄のれん       山田あつ子

  7月 閉ざされし此処ぞ我が世の水中花    大西孝子(兼題句)

     十薬の花おしよせる裏の木戸       伊藤孝子
  
  8月 生涯を香水知らぬ母なりき        前田清女(兼題句)

     終戦日遺影の父は二十七        児玉瑠美子

  9月 傾きし北斗七星野分過ぐ         児玉苦楽(兼題句)

     蜩やその日暮らしで足るを知る      山田あつ子

 10月 こだわりは瑣末と笑ふ秋高し       近藤一葉(兼題句)

     応援の声の限りや秋高し         大西孝子(兼題句)
 
     廃線の枕木に萌え草紅葉         濱本千恵子
 
 11月 国後は指呼の間とぞ渡り鳥        児玉苦楽(兼題句)

     さりげなくなにげなく生れ草紅葉      河野恵子

     コンビニに買物ひとつちゃんちゃんこ   児玉苦楽
 
 12月 独り言返事はいらぬ冬の月        近藤一葉(兼題句)

     本堂の点り人なく冬の月          濱本千恵子(兼題句)
   
     色を溶く風の日課や散り紅葉       河野恵子