主宰の句
地を黒に染むるがごとく地虫鳴く
九月尽矢印に似て鳥の羽根
句碑守は椎の大樹や秋高し
翡翠集&珊瑚集より
瀬を早み或は緩慢水の秋 日向佳世
水分の神に仕へて蟻走る 重山陽子
推薦作品
無花果を割れば混沌ひしめけり 川島ちえり
梅干して山河明るくなりにけり 大谷てるみ
暁光に残夢とからすうりの花 寺林留美子
冷奴すこし斜めに句帳置き いなさ湖六
幽谷の音をひとつに那智の滝 鎌田礼子
稲妻の暴き出したる別の貌 津谷倶子
天空を星に返して花火果つ 田中義孝
雨粒の鹿の子絞りに雲の家 遠藤千草
月見草昔のもどる日暮れ時 落合百合香
推薦20句より9句
花八手 ランブル 2016年11月号 No.225
号
主宰の句&推薦作品