ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
1999年、1998年
   1999年

  1月

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 11月

 12月
 

  ふるさとに亡き師の山河秋深         西村てる子
  
  影といふ影を倒せり冬茜            金澤見鶴

  手に触るるものみないとし聖夜の灯     中島喜久子

  曳く綱につぎつぎ白き鱈の腹         猪股凡生

  一日を辞書と遊びぬ西行忌          山本きみ枝

  よろこびに逢ふべく地虫出でにけ       高橋松月

  竜宮城よりの便りのさくら貝          山本 忍

  つぶやきのすぐ風に乗る青野かな      小野博子

  青梅の初々しさを拾ひけり          桜田貞子

  紛れなく子燕と見し風の中          坂本菊江

  子の幸の中にわれ居る夜涼かな      田中よし

  約束にあしたかがやく酔芙蓉         勝野八重子



  

 1998年

  1月

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 12月
 



  

  (1998年3月創刊)

  狐火の消えて鳴り出しそうな星        篝ゆう子

  肩冷えてあかつき覚むる久女の忌     守田和子

  水仙花やさしさゆゑに枷を負ひ        斎藤瑛子

  朧夜や他家の灯 ともる生誕地        高田誠司

  眦に泪の残る春の夢             桑原康郎

  セルを着て日の目風の目やさしかり     日向佳世

  やつれたり蛇の噂の道を来て         満田たけを

  星たちのなべて座につく涼しさよ        鈴木正夫

  旅の身を湯宿に舫ふ天の川          向田あすか

  地蔵堂入れて十戸や峡の秋         山本菊雄