ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2009年、2008年 |
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2009年
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10月
11月
12月
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秋郊や仏相の石をろがみて 日向佳代
白障子閉ざして湖を仕舞ひけり 木下 祥
たくましき樹形もろとも冬に入る 壬生貞子
白鳥来湖に起伏の戻りけり 古川恵美子
弥陀像の木目も拝すうららかな 木月節子
にはとりの吹かれて跳ぬる涅槃西風 大谷てるみ
佇むや枝垂れ一分の花の内 岩田公子
天使魚水より清き鰭もちて 清水葉子
寝付く子に母の腕あり金魚玉 小松和子
友とゐて友を忘ぜし滝の音 大石泰子
炎天のごとく赫灼たりし父 笠間てるゑ
白鷺の白の張りつく秋の川 合屋多久美 |
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2008年
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月明に無聊なぐさむ案山子かな 満田たけを
魂を拾ふごとくに茸狩 山アひらら
流木に座し冬海を航く思ひ 葵 瓔子
寒雲の動かざる富士動かざる 斎藤照子
海峡に雪ふる雛のまつりかな 手柴由美子
ふらここやときどき空の遠くなり 秋山珠美
ささくれの寺の回廊花の塵 島川芳子
傀儡か熊谷草か闇揺るる 渡辺三一子
萍や見ゆるあしたと見えぬ明日 濱本千恵子
鍬を持つ汗に生まるる一詩かな 濱 佐文
若冲のにはとり奔る初嵐 高野さちこ
渡り鳥五千石忌をまた重ね 三井 鐸 |
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