ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2009年、2008年
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  秋郊や仏相の石をろがみて        日向佳代
  
  白障子閉ざして湖を仕舞ひけり      木下 祥

  たくましき樹形もろとも冬に入る      壬生貞子

  白鳥来湖に起伏の戻りけり         古川恵美子

  弥陀像の木目も拝すうららかな       木月節子

  にはとりの吹かれて跳ぬる涅槃西風   大谷てるみ

  佇むや枝垂れ一分の花の内        岩田公子

  天使魚水より清き鰭もちて         清水葉子

  寝付く子に母の腕あり金魚玉        小松和子

  友とゐて友を忘ぜし滝の音         大石泰子

  炎天のごとく赫灼たりし父          笠間てるゑ

  白鷺の白の張りつく秋の川         合屋多久美



  

 2008年

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  月明に無聊なぐさむ案山子かな       満田たけを

  魂を拾ふごとくに茸狩             山アひらら

  流木に座し冬海を航く思ひ          葵 瓔子

  寒雲の動かざる富士動かざる        斎藤照子

  海峡に雪ふる雛のまつりかな         手柴由美子

  ふらここやときどき空の遠くなり        秋山珠美

  ささくれの寺の回廊花の塵           島川芳子

  傀儡か熊谷草か闇揺るる           渡辺三一子

  萍や見ゆるあしたと見えぬ明日        濱本千恵子

  鍬を持つ汗に生まるる一詩かな        濱 佐文

  若冲のにはとり奔る初嵐            高野さちこ

  渡り鳥五千石忌をまた重ね          三井 鐸