ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2007年、2008年
   2007年

  1月

  2月

  3月

  4月

  5月

  6月

  7月

  8月

  9月

 10月

 11月

 12月
 

  鯱に秋天の海ありにけり          北澤益子
  
  門柱に十一月のかたつむり        東峰芳子

  雪を待つかに山々の居座れり       小柳正之

  現世のほろり崩るる寒牡丹         来栖早殳子

  境内の春めくものに影法師         山ア慈昭

  雪解けのごとく来りし友訃報         菅 第五

  羽ばたきは鳥の喝采花筏          藁科よしゑ

  享受して泰山木の一の花          今野好江

  名札なき二の菖蒲田の水の音       西澤きく江

  眠るとふ螺子を巻きたる熱帯夜       田中義孝

  朝顔の折り目正しき蕾かな         合屋多久美

  澄む水に我が身曳かるるごとくをり     林 美恵子



  

 2006年

  1月

  2月

  3月

  4月

  5月

  6月

  7月

  8月

  9月

 10月

 11月

 12月
 



  飛び込んで来し蟋蟀のあわて顔       牧 多恵

  白鳥の啼く声星を殖やしけり         高橋松月

  竜の玉ひとつふたつは神のもの       田中純子

  わが美田大雪原に預けおく          久和原 賢

  一本の道の華やぐ春祭            重山陽子

  鶴帰る時を同じに母逝けり          藤井順子

  花の雲千の石仏直立す            仲川 c

  平家邑泣くまじく泣く滝の音          望月ゆり子

  蚕豆の笑まふがごとくゆであがり       小池照江

  雲が描く地図になき地図夏の空       野見山智子

  訪ね来し人に牧の香夜の秋         大西保雄

  秋の蝉落ちて大地を知りにけり       江上貴善