ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2005年、2004年
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  萩の花風のあとゆく水の音         小柳正之
  
  五十年一期と言ひぬ翁の忌         太田白葉子

  誕生を待つ真つ白な毛糸玉         窪田光代

  風花や山数ふるに一座二座         尾籠宏子

  谷戸の春方や虚子立子記念館       米川みさ

  あれは鳥あれは残雪雁帰る         菅 第五

  風を得て大団円のさくらばな         小野博子

  泣く子にもあをあをと夏来りけり       加藤 悟

  七変化雨の一色加へゐる          河野恵子

  大仰に揺れ若竹の反抗期          林 千代

  新盆やひたすらに水に火に仕へ       西村てる子

  虫籠の虫一匹の重さかな           井上てつこ



  

 2004年

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  マフラーに旅の余韻を巻き返る        捧 喜香

  糶り落すごとく指差し鮃買ふ          三井 鐸

  萬一歳冬の大地を歩み初む         伊藤いし

  天と地をつなぐ枯木となりにけり       西村てる子

  合掌を解く日溜りの蕗の薹          山アひらら

  誕生の地に降り立つや春の風        大槻千紘

  洗つても洗つても黒鴉貝            桑野昌宜

  虚貝愛でて八十八夜寒             斎藤益代

  黒南風や海より陸(くが)の人けぶり     並山南山

  香りにも明暗ありぬ蓮の花           萩 夏枝

  一灯にもどればわれも火取虫         中島郁子

  いささかの闘志残しぬ秋の蝶         宮本 源