ランブル巻頭句集 (上田日差子選)
2001年、2000年
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  我が影に入る秋蝶や峡の道         前田玉枝
  
  山彦はみな男ごゑ冬の山           大谷てるみ

  睦むかに競ひゐるかに鳰           梛すず子

  あかときの寒月の晶誕生す         今野好江

  小波の形をとどむ春氷             福本龍琶

  子雀と同じ日を浴び癒近し           神谷寿松

  「誰が袖」や春のかたみの香袋        窪田光代

  夏潮に抗ふ船と乗る船と            小柳正之

  茶工場の塵のみどりも涼しかり       重山陽子

  比べてはならぬ幸せ瓜刻む         山本欣子

  凉新た水に点じて千住の灯         日向佳世

  谿空のかんかん晴れて沢桔梗        萩 夏枝



  

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  すみれほどな神話の里の秋の蝶      渡辺春菜

  実むらさきながれのごとき京言葉      鈴木としゑ

  振り向けば消えてゐぞうな冬桜       中島秀子

  石投げて水を醒ませり寒の沼        久保田藍子

  春の雲明治の路地を探り当て         幸田和子

  灯の入りて宴のごとし雛の店         梛すず子

  のどけしや翁ゆかりの寺の縁         林 遊石

  牧柵を越え出づるもの雲と飛花        松本夢渓

  袋掛川は真昼の日をはじき          尾籠宏子

  子規堂の筆のちびたる暑さかな        田中義孝

  雲中を月の渉れる畦秋忌           桑原康郎

  秋高しモザイク塀にキリンの絵        市川玉祥