夕張市は財政再建団体になり、財政再建計画策定のため基本的枠組み案を市民に示しました。(平成18年11月14日)

 解消すべき赤字額 約360億円  (正規の借金などは別)
     向こう20年間で解消

(1) 職員数・給与水準とも全国最低水準に
       職員数    現在、同程度の団体の約2倍いる職員数を平成21年度までに
               同程度の団体の最小の規模にする。 等
       給与     特別職給料    60%削減
               一般職給料    現在、本来の給料から15%を削減
                          平成19年度から平均で30%削減
               期末・勤勉手当  当面、2か月分削減
               退職手当(特別職)   当面、支給しない
                 〃  (一般職)   支給月数の上限を段階的に大幅に削減                                            等々

(2) 廃止する事業
       老人クラブ補助、敬老祝い金、 子育て支援センター補助
       PTA補助、
       商工会議所補助、農業振興対策補助  等々
(3) 市税、使用料、保育料の引上げ
       市民税       (均等割 3000円⇒3500円)
        〃         (所得割 6.0% ⇒6.5% )
       固定資産税    1.4%  ⇒  1.45%
       軽自動車税    現行税率の1.5倍
       入湯税新設    150円

       施設使用料    50%引き上げ
       保育料       国の基準額通り (市の上乗せ措置を廃止)
       下水道使用料  1470円/10立米 ⇒  2440円/10立米
       ゴミ有料化    家庭系混合ごみ 2円/L   粗大ゴミ20円/kg 等
(4) 統廃合
       小学校 7校 ⇒ 1校   中学校 4校 ⇒ 1校
       図書館、美術館、球場、市民会館、共同浴場、
                養護老人ホーム、公園・花壇等々廃止
                     詳しくは、夕張市財政再建の基本的枠組み案について
                              (但し、pDFです)

            メロン 
                     夕張メロン
   
              夕張特産として有名です
              映画祭、博物館など観光事業にも積極的に
              取り組みましたが・・・・・・
      



        
                                   中国新聞 平成18年9月4日

       ・・・北広島町が、第1位の21.3%


 実質公債費比率は、家計で言えば、収入の中のローンの比率です。
 ローンに払う比率が高いと、家計は火の車
 地方自治体の場合、歳入の中で借金返済額の占める比率ですが、実質的な借金返済の度合を測るため・・・・・・例えば、17年度

 

17億
2093万円
 
 一般会計のうち借金返済に充てた額(28億7558万円)に、
                       次の@ABを加え、Cを引きます。
@ 上下水道等の特別会計や豊平病院等の企業会計の借金返済のため一般会計から繰り出した額(8億0508万円)
A 同じように、芸北広域環境施設組合等の借金返済のための補助
    (2億0325億円)   
B 圃場整備の償還金補助など後年の債務負担(1億4777億円)
C ところで、地方交付税には借金返済のための支援分が含まれています。
   親の支援のようなもので返済が楽になるので、これを引きます。
    (23億1074万円)
 B

76億
5587万円

 家計の年収に当たるのが、歳入です。
                    通常の歳入となる@とAを加え、Cを引きます。
@ 標準の税で算出した税収(33億6552万円)
A 収入が確実な国からの普通地方交付税等(66億0110万円)
 但し、Aと同じように地方交付税に含まれた返済支援分Cを引きます。

  A÷B が、実質公債費比率です。

     年度ごとに計算すると
          平成15年度  18.97 %
             16年度  22.54 %
             17年度  22.46 %        3ヵ年平均  21.3 %

 18%を超えたので、今後の新たな借金は、国の許可が必要です。
 そして、公債費負担適正化計画を策定して、18%以下に下げなりません。

 地方交付税(分母)が減ると、%はますます上がります。
 この比率を下げるためには、新たな借金を抑えるか、特別・企業会計などで自力で借金を返済するか、経済力を強化して税収を増やすよう頑張るほかありません。


                                               (19.1.1)

<追加情報>
 「週間文春」12月7日号(株式会社文藝春秋)により、
  全国の市町村のうち、実質公債費比率が高い ワースト100 のリストが示されました。

 ベスト8  歌志内市(北海道) 40.6
        上砂川町( 〃 )  36.0
        玉滝村 (長野県) 33.3
        座間味村(沖縄県) 30.6
        泉崎村 (福島県) 30.1
        新庄市 (山形県) 29.9
        香美町 (兵庫県) 28.8
        夕張市 (北海道) 28.6
以下、隣県の市町村
        飯南町 (島根県) 24.5  (三次市から出雲へ行く途中)
        奥出雲町( 〃 ) 24.3
        斐川町 ( 〃 ) 23.7
        川本町 ( 〃 ) 23.5
        美郷町 ( 〃 ) 23.5
        邑南町 ( 〃 ) 23.3
        隠岐の島町(〃) 23.2
        安来市 ( 〃 ) 23.1
        美祢市 (山口県) 22.9
        光市  ( 〃 )  22.5
        西ノ島町(島根県) 22.4
                                             (19.1.24)


◎ その後の夕張市財政再建計画
        2006年11月14日の基本的枠組み案をもとに協議を重ね、
        2007年3月6日に財政再建計画書が掲載され、市民に示されました。
                                         夕張市財政再建計画 PDF

                                             (19.4.22)

                                               トップページへ戻る
 
地方自治を確立する会
 
  代表 杉本武信

 発行 2007・1.1

第19号 
  財政は大丈夫か

 夕張市は たいへんなようだ

 北広島町は 大丈夫か

    人口一人当たりの借金は 県内第3位    
    実質公債費比率は 県内第1位


 国も 大借金だと言うし・・・・・・
    

まずは、国、広島県、北広島町
        そして、夕張市の借金と、
   一人当たりの借金です。


   −   借金
(06・3.31)
  人口 
  (06.3.31)
一人当たり
  借金
 国     670兆円
   (国債)
 1億2775万人
  (05・1・1)
  525万円 
 広島県      2兆円     287万人    70万円
北広島町    392億円  21.067人   186万円
   計    −      −   781万円
 夕張市   632億円
 (3頁参照)
  13.079人   483万円

* 夕張市は、炭鉱の最盛期には12万人近い人口で
  したが、今は「市」でも本町より人口が少ない。

  

単位万円
左=企業会計を含む
右=普通会計分






53



所得税

法人税

酒 税

消費税

たばこ税

その他
その他の収入

国債
 (国の借金)

 約25兆円
地方交付税
 約15兆円






47


地方への
補助金等
約20兆円
その他の
  歳出
約27兆円
国債の返済
元金約11兆円
利息約10兆円
町税
  25億円
地方交付税
  交付金
  68億円
他の
 交付金等
   9億円
国や県の
 補助金等
  23億円
分担金使用料
その他15億円
町債(借金)
 21億円





物件費修繕費
  19億円
補助金等
  21億円
特別会計繰出金
その他
 17億円
積立金
  
10億円
投資的 経費 建設事業費
 19億円
義務的経費 人件費
  32億円
扶助費
 10億円
町債の返済
元本25億円
利息 5億円

   国の予算

平成19年度 一般会計 政府案
    約83兆円
 歳入            歳出

   北広島町の予算

   平成17年度一般会計決算
    
歳入         歳出
 

160億7742万円    157億8443万円
 国の平成19年度予算(政府案)は、景気回復で税収が伸びているが、依然として税収に比べ歳出が多いため、元金の返済以上の借金(赤字国債)に頼らざるを得ず、、国債残高(国の借金)は増える一方です。
 北広島町は、平成17年度一般会計・特別会計全体で4億3千万円の黒字決算ですが、前期繰越金8億6千万円を考えると赤字です。

 新規の借金は元金の返済より少なく、町債は3億7千万円減りました。

 しかし、国は借金増の厳しい財政構造にあるため地方交付税を減らそうとしており、このままでは赤字転落の恐れがあります。

 ところで夕張市は、歳入以上の歳出による赤字や観光事業などの失敗で、毎年約20億円の赤字を出していました

   
       一般会計                  特別会計・企業会計



 歳入 

諸収入


 歳出 
 
貸付金
 

 歳入 

借入金
--------------------------------------------


 歳出 

償還金

----------------→

赤字をどうしていたか・・・・・・・ちょっと専門的ですが、

 特別会計や企業会計の赤字分を一般会計から借りて収支トントンの決算を済ませ、一般会計の赤字分は4,5月の出納整理機関に次年度の特別会計や企業会計から返済させて収支トントンの決算を済ませる・・・・・赤字の額は毎年約20億円、それが積もり積もって276億円になりました。それは、国のように赤字国債で処理できないため、一時借入金として処理していました。


  一時借入金              276億円
  市債(正規の借金)          205億円
  債務負担(借金に準じる後年負担)  83億円

  公社、第三セクターの借入金        68億円   合計632億円   
   

詳しくは、夕張市の財政運営に関する調査 
                (但し、pDFです)

安芸太田町 223 140
神石高原町 206 170
北広島町 186 117
庄原市 171 128
大崎上島町 164 138
三次市 160 102
大竹市 149  64
安芸高田市 145 104
広島市 142  78
世羅町 132 111
江田島市 112  74
呉 市 103  57
三原市  98  64
坂 町  85  36
府中市  84  50
海田町  83  45
東広島市  82  56
福山市  77  36
廿日市市  74  51
尾道市  70  53
竹原市  53  52
熊野町  51  24
府中町  48  29

広島県内23市町の
  住民一人当たりの借金