介護保険は、地方自治の実践の試金石です。

              その理由は、追々に説明してまいります。

最近、町民、特に高齢者の皆様のなかで、
大朝町の高齢者が払う介護保険料が高い。県下で3番目、全国で50番目だそうだ。年金は減るというのに、一体どうなっているんだ。
                          という声を聞きます。

                               (単位・円)

65歳以上被保険者の所得別段階

大朝町

芸北町

豊平町

千代田町

県下最高

*最低 

前/年額

新/年額

新/年額

新/年額

新/年額

新年額

新/年額

第1段階  50%
町民税世帯非課税


 19.650


 27.240


 21.000

 
 21.000


 23.580


28.100


 17.064

第2段階  75%
町民税世帯非課税


 29.470


 40.860


 31.500


 31.500

 35.370

42.100

 25.596

第3段階・基準
町民税本人非課税


39.300


 54.480


 42.000


42.000


 47.170


56.200


 34.128

第4段階 125
所得200万円未満


 49.130

 68.100


 52.500


 52.500

 58.960

70.200

 42.660

5段階 150
所得200万円以上


 58.950


 81.720


 63.000


 63.000


 70.750


84.300


 51.192

*最低は下から2番目の町です。1番目の町には繰越金が多いなど特殊事情があるようです。


基準額で前計画より年額
15.180円高くなり、芸北町や豊平町に比べて12.480円も違います。

 そして、「大朝町は、高齢者が多いからやむを得ない。」と言う方があります。

これは、間違いです。

 介護保険の高齢者負担分は、高齢者が多い町では多くの高齢者で負担する、高齢者が少ない町では少ない高齢者で負担する仕組みになっているからです。

 さらに、過疎地などへ配慮のため調整交付金という制度があります。
                             (下図参照)

@         全国平均に比べて、高齢者の中で75歳以上の後期高齢者の比率が  高いと介護の必要度が高くなるので割増(調整)する 

A         全国平均に比べて、所得の少ない高齢者が多いと割増(調整)する

大朝町は、4町の中で、後期高齢者の比率が最も高く、所得が少ない方です。

介護保険事業計画書から、大朝町の介護保険料が高い理由を調べてみました。

 まず最初に注目されるのが、大朝町は介護サービスを受ける高齢者の比率が高いということです。
 それには、後期高齢者が多いことも背景にあるでしょう。



  2期(新3ケ年)計画の初年度=平成15年度推計値

 市町村

  大朝町

芸北町

豊平町

千代田  町

県下
 最高

*最低

65歳以上
  高齢者

(1176)
   1156


1124

1766


2934

 
756


996

施設サービス利用者
 対高齢者比率    %

64人)
   
75
 (5. 4%) 
   
   6. 5


 54

4. 8%


  97

5. 5


 144


4.. 9


 
58

 7. 7

 
  38

3. 8%

居宅サービス利用者
 対高齢者比率    %

(88) 
   
138

 (7. 5%)
      11. 9


 105

9. 3%

 
 137

7. 8


 341

11. 6


算定なし


 
100

10. 0

利用者合計

対高齢者比率     %

 (152)
     213
  (12.9%)
     18. 4


159


14. 1


 234

13. 3


 485

16. 5

 

算定なし

 
 138

13. 8

 * 大朝町の(  )は、第1期(前3ケ年)計画の初年度=平成12年度計画値です。

施設サービス、居宅サービス、共に4町で一番高くなっています。

利用が多ければ、経費が増えます。
         
問題は、これを、どう考えるか、です

次の順で考えてみましょう。

 @ 他の予算から補填できないか。 国や県に特別の支援はないか。

 A 多くの高齢者が介護サービスを受けているのだから、良しとするか。

B それにしても、年金が少ない人は保険料の負担に耐えられないのでは  ないか。

C 介護サービスの中身を検討する必要はないか。

D 介護を受けずに済むように、できる限り健康で過ごせないものか。

まず、@の点です。

介護保険は全く独立した会計です。

国民健康保険や上下水道などのよう
に、一般会計から補填できません
国や県,市町村の負担は定率です。
今までの行政のような、国や県に補
助を頼めば助けてもらえるという制度

はありません。

地方税は法で定められていますが、
介護保険は水準を町民が選択し、
それに応じて保険料を決めることができます

まさに、町民の自治による福祉であり、地方自治の試金石と申し上げた所以です。

従来のような、国にお願いしてお慈悲(措置)を受ける福祉ではなく、保険料を納めた被保険者の権利であり、地域住民が自主的に考え、サービスを選択し、支え合う福祉です。

次にAの点です。

保険料が高くても、介護が必要になった時、介護が受けられるならば、老後が安心です。 現状は、どうでしょうか。

高齢者はどなたも、このまま年をとり、動けなくなった時、自分はどうなるのか、大変心配しておられます。特別養護老人ホームは満床で、何十人待ちの状態です。

スウェーデンなど福祉の進んだ国では、もっともっと負担が高いようです。

それでも住民は理解し、納得して納付しています。住民がお互いに老後の安心のため、長年にわたり自治を推し進め、話し合い、知恵を出し合った結果です。

問題は、Bの保険料の負担です。
年金は、制度によって大きな格差があります。

国民年金の方は、多くて月6万円程度、早くからもらった人や掛け月の短い方はもっと少なくなります。生活ギリギリのところで捻出するのは大変です。

 介護を受けようにも、1割の自己負担が困難な方もあります。    
年金の改革には、是非とも考慮していただきたいところです。
そのような方には、町で独自に支援することも、できないことではないしょう。

続いてCの点です。
 
4町それぞれ、介護サービスの内容に特徴があります。 

大朝町について言えば、
ア 利用が多いのは、短期入所ショートスティ
 訪問介護
ホームヘルプサービス通所介護ディサービス

通所リハビリディケヤー

イ 利用が少ないのは、訪問看護や訪問リハビリ

ウ 痴呆対応型共同生活介護グループホームを新たに見込んでいる。

エ 先の表にもあるように、施設サービスへの依存度が高い。

施設サービスは、一人当たり月平均30万円余りかかります。

居宅サービスは種類がいろいろですが、平均して同じく月8万円前後かかります。

 施設への入所はやむを得ないことですが、それに至るまで、住宅改修、福祉用具の整備、訪問看護・リハビリ等いろいろな居宅介護サービスを気兼ねなく活用して、住み慣れた我が家で、できるだけ長く暮したいものです。
最後に、Dの点です。何よりも、元気が一番です。
若い人も、糖尿病、肝臓病、高血圧といった生活習慣病や足腰
が弱ることのな
いよう、健康管理に気をつける必要があります。

趣味やゲートボール、グランドゴルフ、カローリング等の運動も元気の元です。

地域の温かい福祉活動やボランティアは、福祉の大きな支えになります。

こうした努力の全てを結集し、知恵を出し合って住民参加の自治を営むことにより、介護保険料の軽減が図られ、安心した老後が迎えられるのです。

今や、介護保険によって、私たちの自治能力が試されています。

http://www12.ocn.ne.jp/~jiti2/

  地方自治を確立する会
   代表 杉 本 武 信

第5号
  (介護保険は自治の試金石)

      2004・3・25
         

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