（Ⅱ）５月２０日　定期外特別選挙

住民投票　
キング郡における公園、レクリエーション施設等の管理のため、
財産評価額　１０００ドルにつき４．９セントの追加課税
　この案に　・賛成　・反対

住民投票　ベレブ市が「憲章市」へ移行
　この案に　・賛成　・反対　

（Ⅲ）９月１６日　大統領選の予備選挙と同時に行われる選挙

　前述の　http://www.metrokc.gov/elections/　の「投票者ガイド」から取材しました。

公職選挙　
郡補佐官・郡議員・郡内の市長・市議員・裁判官・港管理者・学区理事・防火区委員・上下水区委員等の公職の候補者の政見、住所、電話、Eメール、Web

住民投票（シアトル市・イニシアティブ７７）

（案件）低所得者層の修学前教育のためエスブレッソ税創設の賛否を住民に問う

（当局の主旨説明）　児童の実情、財政事情、課税方法など

（全体説明資料）　　さらに詳しい説明

（賛成意見）　教育の機会均等・・・・・意見表明者８名連名　電話、Email、Web

（反対意見）　税源として不適当・・・・意見表明者４名連名　電話

（賛成意見に対する反論）・・意見表明者４名連名
　　　　　　　　　　　　　　　（反対意見表明者に同じ）

（反対意見に対する反論）・・意見表明者８名連名
　　　　　　　　　　　　　　　（賛成意見表明者に同じ）
　

エスブレッソ税とは？
　エスブレッソとは、日本でも今、流行りつつあるイタリアン・コーヒーのことで、やや高価な飲み物です。
　１杯につき１０セントを課税しようというもので、シアトル市民の間で賛否両論あり、住民投票で解決することになりました。

　賛成37.838人　反対83.967人否決
　（投票結果）有権者358.957人　投票者124.427人投票率34.7％

住民投票（シアトル市・イニシアティブ７５）

（案件）麻薬取締り関係の法律制定の賛否を問う
　以下、上記の住民投票と同様に、当局の主旨説明、全体資料、賛成、反対などの意見が示されます。

　（結果・賛成５７％可決）

住民投票（第２防火区・プロポジション１）

実際に配布された「投票者パンフレット」の３８頁の概略を紹介しましょう。

(投票案件）
　財産税１％限度の増税

（提案説明）
　緊急対策等のため・・・

（賛成意見）
　安心して暮すために・・・

　　　　　　　意見発表者○○

（反対意見）
　（この件では反対意見なし）　　　　　　

全体説明資料は選挙管理委員会事務局、又はwww.metrokc.gov/elections/.へ

（投票結果）有権者21.424　投票者7.391　投票率34.5％　賛成3.046　反対3.337　否決

＊この種の投票が８つの防火区で行われ、その結果、可決５区、否決３区でした。

住民投票 　
　３つの地域が市へ編入、債務引受けや課税、範囲指定の賛否、計９件

シアトル市やキング郡が特別というものではなく、アメリカ合衆国の各地がいろいろ工夫して民主的な方法を競っています。こうした住民投票は、ヨーロッパでも広範に活用されています。「民主」という点で、これに勝るものはないからです。

公共施設での禁煙、焼却炉の閉鎖といった問題も住民投票にかけられます。

投票率は低くても、何万、何千人が問題を知り、考え、論議し、意思表示することになります。住民の良識に反するものは、到底、賛成が得られません。

長や議員、役所任せでなく、住民が直接決定に参加することによって、行政を理解し、決定されたことに納得します。

日本でも既に、原発、産廃や合併など特定の問題に限った住民投票や、重要案件について一定数以上の住民の請求や議会の議決、首長の発議により住民に問う常設型の住民投票制度を設けた市町村もボツボツ（全国で４市２町以上）出ています。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２００３・９．２３）

　住民投票制度には、各種あります。　　　　　　　　住民投票

　県内市町の状況を調べてみました。インターネットで見る限りですが・・・

○常設型の住民投票・・・首長の発議で行うことができる

　三次市　　　　三次市まち・ゆめ基本条例　　　　　　　　　

　　　　　　(住民投票)

　　　　第28条　市は，住民の暮らしにかかわる重要なことについて，直接住民の意思を確認するため，
　　　住民投票の制度を設けることができます。
　　　　　　（別に定めるとあります。）

○住民の直接請求による住民投票

　広島市　　　　広島市住民投票条例・・・・・１０分の１以上の署名が必要

　大竹市　　　　大竹市住民投票条例・・・・・３分の１以上の署名があ必要

○特定案件について住民投票

　安芸高田市　　市章デザインの住民投票

○合併について特例法による住民投票

　海田町、府中町、旧黒瀬町、旧大和町、旧内海町、旧宮島町、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２０１０・４・３０）
　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　
前号では、住民が、行政の全般について概要を知ることができる冊子「仕事と予算」のことをお話しました。
今回は、住民の方から行政に直接参加の事例を紹介します。

外国の話です。

　アメリカ合衆国は、イチローが活躍するシアトル市があるワシントン州キング郡（郡の中に市や町や学区、防火区、上、下水区、港管理区などの自治体がある。）の選挙です。

　キング郡では、今年になって既に３度の選挙がありました。　

　さらに１１月にも選挙があります。

（Ⅰ）４月２２日　住民投票のための定期外特別選挙
　　　郡当局の選挙公告を　http://www.metrokc.gov/elections/　
　　　　から取材しました。

　住民投票　ハイライン学区（教育は、市、町とは別の自治体の「学区」が担う）における、向こう４年間の新教育計画と、それに必要な財産税（教育のための税）の課税案を住民に問う。

徴収年	財産評価額１０００ドルに対する概算税率	徴収目標額
２００４年	２．６９ドル	２６．５００．０００ドル
２００５年	２．７３ドル	２７．３００．０００ドル
２００６年	２．８１ドル	２８．６５０．０００ドル
２００７年	２．８５ドル	２９．５５０．０００ドル

＊　提案説明、賛成意見、反対意見が記載された「投票者パンフレット」が各戸に郵送され、さらに詳しい全体説明資料（直訳すれば、「完全原本資料」＝隠しなしの全資料）が当局やホームページに用意されます。

（投票結果）　有権者59.817人　投票総数23.569票　（投票率39.40％）
　 賛成16.164票（68.63％）　反対7.390票（31.37％）可決　