新しい1万円札も福澤諭吉さんになりました。
なぜ、福澤諭吉さんなのでしょうか。
福澤諭吉は「学問のすゝめ」の著者。その冒頭の一節、
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
は有名です。
福澤諭吉は、天保6(1835)年の生れです。
明治維新(1868年)のとき、既に33歳。
福澤諭吉が成長したのは、江戸時代でした。
福澤諭吉の父は、中津藩の下級武士でした。
上級武士の命ずるままに下働きをしなければならない
父の姿を見て、封建制度の矛盾を強く感じていました。
「(封建=)門閥制度は親の敵」(福翁自伝)とまで言っています。
さあ、明治維新だ。文明開化だ。新しい時代が来るのだ。
士農工商の封建支配に染まった、支配者に依りすがる性分を捨てなければ・・・・・
そのために、誰もが学問を・・・・・それが、諭吉の「学問」でした。
しかし、維新後も封建の性分が抜け切らず、我先に政府に依りすがり、
政府へ、政府へとなびいている。
そのようなことでは、国がもたない。
「一身独立して一国独立す」 (「学問のすゝめ」)
本庁舎3階
・・・・・しかし、戦後も、いざといえば行政に頼り、国に頼り、あるいは無関心 気づいた時には、約800兆円、国民一人当たり700万円の借金財政になってい ました。・・・・・・福澤諭吉が、今なお問われる所以なのです。 |
福澤諭吉は、「学問のすゝめ」に続いて、明治10年に
「分権論」という本を出版しました。
福澤諭吉は、早くも政府による集権の弊害を指摘し、
分権の必要性を説いています。
[分権論」から抜粋(太字は原文、意を汲んで書き添えました。)
集権論者は・・・・・地方の細々としたことまで中央に集めて、 同一様の治風を全国に施し、各地の旧俗習慣にもかかわらず、 真直水平の如くならしめんと欲する・・・・ |
・・・・・今日まさにそのようになり、全国が画一的で、
その土地の特色や誇りは失われました。
中央に政権を集合して、地方の庶民の生活のこと=治権(自治権)まで 口を出すようになると、非常の勢力を生ずるや明なり・・・・ 二権(政権と治権)の集合は人を孤立せしめ、・・・・・威服(威圧・服従)する |
(地方の実情を見るに)区戸長(村役人)の実は官員(政府役人) の末席にして、その身分は政府細末の小役人より外ならず。 「無鳥里(とりなきさと)の蝙蝠(こうもり)」 (鳥がいない里で自分は飛べると言って威張るコウモリのように) 自から官員(政府役人)の気取りをもって小前の者共(村人)に 傲り(威張り)・・・・ |
町に相談すれば、「国や県に相談して」と言われ・・・・
・・・・・「国や県の指導です。こうしなければならないそうです。」
町の職員が、国の役人のようになってしまいます。
集権論者は・・・・政府は、地方の人民(が)自から(地方事務を)処するに (比べて)優ると(言う。) 中央政府だけが開明で、地方の人民は無智、 中央は神速で、地方は緩慢、中央は事を行うに慣れ、地方は命に従うに慣る (といようなことでは)長ずる者はますます長じ、 短なる者はますます短となるのみ・・・・ 地方の人民に権力を授るは「小児の手に利刀(小刀)を渡す」が如し。 自ら(失敗に)懲り、自ら慣れるの日を待つの一方あるのみ・・・・ |
国 税 約 44 兆 円 |
所得税 法人税 酒 税 消費税 たばこ税 その他 |
その他の収入 | |
国債 (国の借金) 約34兆円 |
地方交付税 約16兆円 |
|
一 般 歳 出 約 47 兆 円 |
地方への 補助金等 約20兆円 |
その他の 歳出 約27兆円 |
|
国債の返済 元金約9兆円 利息約9兆円 |
国の予算
平成17年度一般会計
約82兆円
歳入 歳出
町税 34億円 |
地方交付税 交付金 68億円 他の 交付金等 8億円 |
国や県の 補助金等 23億円 |
分担金使用料 その他13億円 |
町債(借金) 24億円 |
一 般 行 政 経 費 |
物件費修繕費 21億円 |
補助金等 22億円 |
|
特別会計繰出金 その他 18億円 |
|
積立金 7億円 |
|
投資的 経費 | 建設事業費 21億円 |
義務的経費 | 人件費 33億円 |
扶助費 10億円 |
|
町債の返済 元本26億円 利息 5億円 |
北広島町の予算
平成17年度一般会計
162億8千万円
歳入 歳出
市町村は、多くを国や県の交付金や補助金・負担金に依存しています。
何かしようとすれば、国や県を頼りとしてきました。
・・・・・・福澤諭吉が危惧した国依存の体質は、今も変わっていないのです。
この構造を何とかしようというのが、@AB同時の改革=三位一体の改革です。
@補助金よりもA交付金を、交付金よりもB財源移譲を・・・・・そして権限委譲を
・・・・・・税を増やすには、地域経済の活性化がたいへん重要になります。
しかし、日本の過度に不均衡な経済構造は、一朝一夕に改善できそうにありません。
・・・・・・地域の経済力の格差を埋める交付金制度は必要です。
しかし、現行の地方交付税交付金制度は、たいへん困難な状況にあります。
もう一度、前ページの図をご覧ください。
国の財政は危機的状況にあります。
毎年、返済以上の借金を重ね、累積額は約800兆円にもなっています。
このような財政状況にあるため、国は、税収だけでは交付税交付金が足りず、特別会計で借金して補填し、それでも交付金が不足するため、市町村は臨時財政対策債(本町では、5億6900万円)という臨時の借金で補っているような状況です。
国も地方も、このままでは大変なことになります。
思い切った行財政の改革に迫られています。
・・・・・・このような事情から、本町にも行政改革推進本部が発足し、行財政改革推進室が設置されました。
平成17年6月 第1回 定例町議会
○ 北広島町行政改革推進本部設置条例 制定 可決
○ 北広島町行政改革審議会設置条例 制定 可決
平成17年9月 第2回 定例町議会
○ 専決処分による
北広島町課設置条例の一部を改正する条例 制定 可決
(行財政改革推進室の設置)
http://www12.ocn.ne.jp/~jiti2/
地方自治を確立する会
代表 杉 本 武 信
第14号(行財政改革)
2005・10・6
戦争への道が、まさにこれでした。
国に頼り、国に従い、住民が共に考えなくなります。