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Vol .1 でお示しした図です。

地方自治が確立するためには、次の条件は車の両輪のようなものです。
    (1) 権限や財源の確保による自治団体としての自立
     (2)        住民の参加による住民自治の確立

今回は、(1)の条件について説明します。

○ 地方分権一括法の制定

国と地方自治体が対等・協力関係の理念のもとに、住民に身近な行政はできる限り身近な地方公共団体において処理することを基本として、権限の所在等を見直し、今後の地方分権の推進に備えるため、平成11年7月に関連改正法律475本からなる地方分権一括法が制定され、翌年4月に施行されました。

     自治事務     地方自治体本来の事務
   法定受託事務   国の事務で法律に基づき地方公共団体に処理を委託された事務

 合併を契機に、大幅な権限移譲が期待されますが、当面の合併推進方針には、その具体策は示されていません。

○ 三位一体の改革

国庫補助金  地方交付税   税源

 (削減)  (見直し) (移譲)

財源が無いからと言って、国庫補助金や交付税のみの削減では困ります

自主財源の拡充のため、この三点を一体的に改革しようというものです。
    
    小泉首相のもとで、経済財政諮問会議は「骨太の方針」第三弾を答申しました。

骨子

 
 
2006年度までに、補助金を4兆円程度削減し、

(所得税といった)基幹税を中心に、その8割程度を税源移譲する。

義務的事業については、徹底的に効率化を図り全額移譲する。

 地方交付税は総額を抑制し、財源保障機能を縮小する。

 地方税を充実、課税自主権の拡大を図る。

 国の地方公共団体への補助金や負担金は約20兆円あります。その性質上、税源移譲できないも

のもあるでしょうが、今回で充分とは言えないでしょう。


 合併予定の山県東部4町の財政(歳入)状況は、次のとおりです。

    平成13年度普通会計決算状況    単位:億円 ( %)は構成比

 町別

歳入総額

地方税 

地方交付税

国県支出金

地方(町)債


大朝町


 37.4

 
 3.1

( 8.3)


17.2 (46.0)

 
 6.3
 (16.8

 
 5.0
 
(13.4)


千代田町


 60.8

15.4
(25.3)


22.7 
(37.3)


 7.3 (12.0)

 
 5.2
  ( 8.6%)

    芸北町


 38.7

  
 4.1
 (10.6)


18.6 
(48.1)


 8.0
 (20.7)


 4.4  (11.4)


豊平町

 
 41.0


 3.9 ( 9.5)


18.9 (46.1)

 
 8.3
 (20.2)

  
 5.7
  (13.9%)

 
 計


177.9


26.5 (14.9)

     77.4 (43.5)

 
29.9
 (16.8) 

 
 20.3
 (11.4)

 

     (平成14年度 山県東部合併推進協議会 住民説明会 配布資料から)




 自主財源地方税は、主として住民税固定資産税です。
 とても自立しているとは言えない実情です

 ちなみに全国平均は、平成12年度で地方税35.4%、地方交付税21.7%、国庫支出金 14.4%です。 但し、国ベースで、都道府県分を含み、県等支出金は別外です。




 
地方交付税
に大きく依存しています。

交付税は、地方交付税法に基づき所定の方法で算出された額を、国が財源保障する仕組みになっています。


国から配分される交付税の財源は所得税、法人税、酒税ですが、近年、税収不足のため、国は借金で補っている状態です。さらに平成13年度からは地方にも協力が求められ、国が不足分の2分の1を赤字国債で、地方自治体が残りの2分の1を地方債(臨時財政対策債)で補うことになりました。今後、地方がこの借金を返済する際には交付税で補填することになっていますが、今でさえ交付税財源が足りないのに、果たしてできるのか・・・借金を借金で補う危険な事態になっています。        

  本町の臨時財政対策債:13年度当初予算5090万円・14年度同1億3170万円
  今年度同2億1900万円

このような窮状から、交付税の見直し案俎上に上ってきた訳です。


  
 国庫支出金には、
   各種の(自治体への)補助金負担金があります。


 具体的に、どの補助負担金を削減して税源移譲するか、今後の課題になります。
 再三議論される教職員給与が地方自治体の責任となれば、過密地では学級定員削減、過疎地では少人数学級の小規模校の存続について、財政的な見地から再検討を余儀なくされるでしょう。

   同じような問題は、随所に出てくるでしょう。正に、自治の営みです。



 これらの改革で地方財政の将来はどうなるか不透明なため、合併の是非について判断が難しいところです。しかし、補助負担金の税源移譲、交付税の財源保障機能の縮小といった「骨太の方針」から地方財政の将来を考えると、
自治体自身で税の増収を図るほかなく、その対応が可能な規模が望まれ、地域経済の振興策が重要課題となります


 一つの経済圏という見地から、千代田を中心とする山県東部4町の合併は止むを得ず、広島市の北に隣接の発展可能地として位置的にも三次経済圏に劣らない、山県東部経済圏の育成・強化が急務となります。

発行 地方自治を確立する会 代表 杉本武信      広島県山県郡大朝町筏津1247-2

 http://www12.ocn.ne.jp/~jiti2/     Email:wsk@eos.ocn.ne.jp     TEL(0826)82-2738 

http://www12.ocn.ne.jp/~jiti2/

  地方自治を確立する会
   代表 杉 本 武 信

第2号
 (住民自治=住民参加の自治)

      2004・3・25