抜粋・「地方自治を確立する会」杉本武信

 シリーズ 7  水 力 発 電      

   脱地球温暖化が大きな問題になる中、半世紀前に、資源が乏しい日本のため
      先進的に取り組まれた水力発電が今、見直されつつあります。


 
北広島町内の水力発電所を訪ねてみました。

@ 下山発電所

         

  大発見 と言っても失礼なことで、半世紀前に建設された発電所
      資源の乏しい国の将来ためと、大変な労力がつぎ込まれたことでしょう。

   地図上の 松原川の流れを地点で堰き止め、トンネルで大佐川の地点に送り、
             大佐川の水と併せてトンネルで下山発電所へ送り、発電する
         そして、王泊ダム下流の滝山川の水と併せてトンネルで加計の発電所に送る
                        
 


   安芸太田町の松原地区から流れる
            松原川に
   橋山川が合流して
      奥滝山峡を下る

    その途中で堰き止めて(地点)
       トンネルで
         大佐川へ送る








    松原川から
      トンネルで送られた水は
      大佐川を
       堰き止めた堰堤に注ぐ
             (地点)









  松原川から送られた水と併せて
    大佐川が堰き止められ
          (地点)
      水はトンネルで、
        下山発電所へ











   下山発電所

   国道186号線沿いの発電所

   水は、
     王泊ダム下流の滝山川へ合流して
    再び堰き止められ、
     トンネルで、加計の発電所へ




    川の水は少なくなり、
    渓流の魅力はやや落ちますが・・・
       川底の岩まで見える良さもありますが

 地球温暖化の問題が叫ばれる今日、
 地形を最大限に利用した
 水力発電の大切さが見直されつつあります。




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A 溝口の丁川の水を王泊ダムへ



   丁川(溝口川)
        取水口



   
県道溝口加計線を
  溝口集落から
  更に下った道添え
   堰で一定量の水を
  右側に集めて、
  トンネルへ導く
  



  溝口の方のお話によると、
     昭和26年頃の工事
     丁川から高野川(王泊ダムの上部)まで トンネル約4キロ
     中ほどにたて抗を掘り、入り口、出口、たて抗の3箇所で同時に掘った
     使用前に、溝口の上級生は、トンネルの中の水路を自転車に乗って
        丁川側から高野川側まで行った
           ぺタルをこがなくても進むぐらいの勾配だった・・・と聞いたそうです。

     この国土地理院の5万分の1の地図に、
             トンネルの位置が青の点線 ー ー − − で記載されています。
       地図上の、コンター(高さを示す線)で高低差を調べたところ、
             溝口側の取水口の高さが約540m、王泊ダムの水面が約500mで、
                およそ40mの高低差が出てきます。

     

      おおむね広域農道に沿っています。
        広域農道を自動車で走ってみましたが、どちらが高いか、低いかわからない感じです

        

         知らなかった・・・・・驚きました
   溝口を流れる丁川(溝口川)の水を、トンネルで、王泊ダムへ引き込んでいるとは!

   王泊ダムに架かる広域農道の橋
      この橋の下辺りに、溝口からの水が注ぐ

       

      

          秋深まりつつある 王泊ダム
                  ・・・・・夏から渇水ぎみ

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B 名前 ? (現在は、水路や発電機が壊れ、発電していません。)

 この建物は、発電所です。ご覧のように、相当古いものです。
 芸北は川小田の、国道186号線を北へ芸北支所前を過ぎて、川端に出た所の道下にあります。

 この発電所の水は、別の川から水路や管で流路を変え、落差を利用して発電するものです。

            
 
 地図をご覧ください。
 雄鹿原の水は集まって、温井ダムの手前で滝山川と合流します。
 その水を、赤線の地点で滝山川に引き、写真の施設で発電し、
 さらに、川小田小水力発電所で発電し     (この発電所については、掲載済)
 さらに、王泊ダムに入り、発電する
 三重の効果を発揮しているのです。
 
 芸北地域は、早くから水力発電に先進的な取組みをされています。

                        
           


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C町営 川小田発電所

経済産業省 資源エネルギー庁発行 (企画・制作 株式会社 映広企画)
     冊子 「水のちから」に、芸北地域の 町営 川小田発電所が載っています。
           その記事の写真を借用しました

         北広島町立の小規模水力発電所です。
         平成15年3月に運転開始
 太田川の水系  最大5トンの水  落差20m 最大720kw発電
 年間420万kwh発電  (芸北地域の年間使用電力量の約3分のに相当する)
 写真はダムのように見えますが、ほとんど水は貯めない「流れ込み式」=環境を壊さない
    電力の一部は、芸北オークガーデンや下水処理施設等へ直接供給
 町では、特別会計を設けて管理運営しています。

            詳しくは、水力発電のHP 水力ページ へ
         
              取水ダム (川小田から大規模林道を降り、途中で左下へ)

         
                   川小田発電所 (手前から水が降りる)

             オークガーデンを少し入ったところにあります

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D 惣森の発電所

     

  千代田地域にも、水力発電所があります。
     写真は、江の川(可愛川)の惣森地区・・・右側が上流
       約2km上流で堰き止め、川に沿って水路を引き、約20m落下させて発電
       広島北部農協の経営

  

   川戸と惣森の間、国道433号線沿いの江川(可愛川)
   
惣森の発電所の取水堰
   取水した水は、左側の用水路を通って、川下の発電所へ。
   水量は多いが落差が小さい

  昭和30年頃の建設だそうです。
  芸北地域の水力発電にも、この頃に建設したものがあります。
  戦後復興・・・・資源のない日本は、水力発電で・・・・・・
    省エネ、地球温暖化防止・・・・今また見直されつつあります。

  しかし、年数が経ち、老朽化して、水路の補修等が必要になっています。

E 畑の発電所 

       

 @で根ノ谷川の水をせき止め、 Aで青松川の水をせき止め、合わせてBの発電所へ。
 @からの水は、青松川の谷を管橋で渡す。

 ところで、@の堰が、平成22年夏の洪水で崩壊しました。復旧が急がれます。
     

     

     水力発電所の落とし口
       県道69号線の山側の道路脇から谷へ、約72mを落下
        ・・・町内では一番の落差
       昭和36年に運転開始   現在は、広島北部農協の経営
            ・・・・現在、シャフトが壊れて、修理中   (22・4・20)

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 E 豊平・七曲の発電所
                   昨年、ようやく知ったようなことです。
    1級河川 西宗川
    昭和27年認可
    吉坂農業共同組合
    取水量  0.9立米/秒

   建設に尽力された 「田辺憲氏之碑」 が道路と水路の間に立っています。

   

      発電所・・・・右側の県道澄合豊平線の上の水路から水を落とし、
               左の西宗川に戻す

   


← 豊平支所







 ← 豊平中学

 ← 都志見


左が西宗川
  (仲原・戸谷の
     水を集める)
右が吉木川
  (都志見・阿坂の
     水を集める)

両川の合流地点の手前で、
吉木川を堰いて、
上流から見て左岸の水路
赤の/)を経て発電所

西宗川の水をトンネルで、
吉木川に送り、
その水路へ加える
   (赤の→

  安芸太田町 ↑



 西宗川の水が
   トンネルで吉木川へ

 県道七曲千代田線をくぐって
   吉木川の上を
 写真の橋梁で渡り、
   向こう側の水路に加える








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