No.3

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近所の大先輩たち

野菜作りの方法は主に「農薬を使わない野菜づくり」などという本を見ながらやっているのですが、その土地の気候、畑の土質(水はけ、有機質の量など)、その年の気候などでずいぶん違うようです。そんなときに頼りになるのがやっぱり地元のおばあさん、おじいさん。聞きもしないのに(失礼!)実にいろんなことを教えてくださいます。

昨年、畑を借りて始めて植えたのがジャガイモでした。もう植え時はとうに過ぎていて、僕は正直あせっていました。そこで耕運後すぐに畝を立てて植える準備をしていたときのことです。借りている畑の大家のSさんがきて、「そりゃあだめよ、藤本さん。草の根を取らにゃあ。大草になってどがあもならんようになるよ。」と親切に教えてくださいました。それまで使われていなかった畑には雑草がたくさん生えていて、一緒に耕運したためにその葉っぱや根っこが土の中にたくさん混ざっていたのでした。ところが、当時の僕は「このまま土の中で腐ってしまうはず。大事な肥料じゃあないか。」と心の中で思いながら、「そうなんですか?ありがとうございます。」と心にもないことを言い、適当に取る格好をしただけでした。結果はいうまでもありません。何が植えてあるのかわからない有様になってしまいました。

先日も僕たち家族がこの地に来るときに大変お世話になった、Sさんがふらっと来てくださり、野菜に必要な3元素の話なんかをたくさん教えてくださいました。おまけに草刈機の鋸歯をいただきました。草刈にアズって(注*)いる様子を見て不憫に思ってくださったのでしょうか。僕の鋸歯を見て「この歯じゃあ切れんよ。よういままでこれでやりよりんさったのう。」とあきれておられました。おかげ様で、鋸歯の仕組みが良くわかり、よく切れるようになったので草刈がちょっぴり楽しくなったのでした。

だんだん素直に大先輩のおっしゃることに耳を傾けるようになってきた今日この頃です。

*注 アズる・・・広島弁で「てこずる」という意味。   

      

        もうすぐ収穫できるピーマンとナス         

2003.6.17

フジ菜園通信